企業の永続的な成長を可能にする経営の原理とは?

【要旨】本稿は、事業の成立・拡大・展開が滞る「痛み」の本質を、人間活動を駆動する〈理念・意思・戦略・実行〉という意識の骨格構造から考える。多くの企業が直面する成長停滞は、無意識に〈実行〉を偏重し、価値創出の源泉である〈理念〉を希薄化させるという「意識の骨格構造の不調和」に起因する。この原理を掘り下げるため、日常的に顧みられる個別の経営論点でなく、より広義の人間活動としての芸術や運動や生活を参照して、企業経営への示唆を検討する。そこで見えてくる重要な視点は、原理としての〈理念〉の源泉性、〈理念〉から〈実行〉への連動性、さらに顧客の〈声〉を上流へ還流させ〈理念〉そのものを更新し続ける循環性である。循環性が機能して信念体系が自動更新されるようになると、自己強化的な成長循環が形成され、企業は持続的な進化への道を拓いていく。 企業経営の骨格構造と連動性・循環性 序章:企業経営に関わる問題 事業を推進する私たちにとって、何が「痛み」か。 私たちは皆、何らかの形で事業を前進させようとしています。想いを形にし、人を喜ばせて、僅かばかりの対価をいただくという営為を転がして行くことで、経営者自身も事業組織 …

限定公開:あなたの会社はInnovatorかGlobalizerか

企業活動は、必ずしも眼前に聳える山を登りゆく一本道ではありません。それが昇り降りを含むということではなく、山を登ろうとする私は何者なのか、川を渡ろうとする私は何者なのか、私はなぜ海を出ていくのかと、さまざまにあり得る道を選びうるということを意味します。 今回、企業を経営するということの意味を、「存在」というキーワードで考察した論考をご紹介します。以下の要旨とリンク先の論考をぜひご覧ください。 【要旨】本稿は、企業の価値創出を「イノベーション(顧客ひとりの問題を深く解く)」と「グローバリゼーション(解決策を広く市場へ浸透させる)」の二軸で捉え、企業がイノベーターであるかグローバライザーであるかは戦略的な〈選択〉というより、歴史や関係者との結びつきによって刻まれたDNA/アイデンティティに根差すことを議論する。環境変化によって戦略が陳腐化しやすい時代ほど「何をやるか」より以前に「どういう存在として」「誰のためにやるか」を定義することの重要性が高いこと、また、拡大を急ぐあまり「問題解決のための問題解決」に陥るとアイデンティティ・クライシスを招くことに留意する必要がある。事業家は、自社の意識と …