企業の永続的な成長を可能にする経営の原理とは?
【要旨】本稿は、事業の成立・拡大・展開が滞る「痛み」の本質を、人間活動を駆動する〈理念・意思・戦略・実行〉という意識の骨格構造から考える。多くの企業が直面する成長停滞は、無意識に〈実行〉を偏重し、価値創出の源泉である〈理念〉を希薄化させるという「意識の骨格構造の不調和」に起因する。この原理を掘り下げるため、日常的に顧みられる個別の経営論点でなく、より広義の人間活動としての芸術や運動や生活を参照して、企業経営への示唆を検討する。そこで見えてくる重要な視点は、原理としての〈理念〉の源泉性、〈理念〉から〈実行〉への連動性、さらに顧客の〈声〉を上流へ還流させ〈理念〉そのものを更新し続ける循環性である。循環性が機能して信念体系が自動更新されるようになると、自己強化的な成長循環が形成され、企業は持続的な進化への道を拓いていく。 企業経営の骨格構造と連動性・循環性 序章:企業経営に関わる問題 事業を推進する私たちにとって、何が「痛み」か。 私たちは皆、何らかの形で事業を前進させようとしています。想いを形にし、人を喜ばせて、僅かばかりの対価をいただくという営為を転がして行くことで、経営者自身も事業組織 …